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150歳まで楽しく生きるための幸せな健康学

【書評】人体600万年史〜フルーツジュースはジャンクフード〜

今回は、ハーバード大学で人類進化生物学の教授を務める著者がおくる「進化人類学✕健康」 についての1冊(上下巻なので実際は2冊)。

 

 

慢性病、ガン、2型糖尿病、骨粗しょう症、心臓病、脳卒中、アレルギー、認知症、うつ、腰痛、近視、便秘…僕ら人類にとって現在、あまりにも多くのケガや病気に蝕まれ、普段の生活をイキイキと送ることすらどんどん難しくなってきている気がする。

 

「私たちは現在、身体にとって矛盾した時代に生きている」 

誰しもがなんとなく感じていた、そんな一文から本書は始まる。

 

人類と類人猿が枝分かれした600万年前、つまり二足歩行が一体どうやって始まったのか?から、アウストラロピテクスの食事、最初の人類(狩猟採集民)、氷河期、文化、農民化としての苦悩、産業革命、エネルギー、現在の病気、そしてこれから…と続く。

 

そんな中で、今、僕がタイピングしているこの手も、画面を見ている目も、意識せずとも動き続けている内臓も、人体を構成する全てのものが人類(あるいは人類以前)が長い歴史の中で進化・適応をし続けた結果として残っているものであるということを改めて気付かせてくれる。

 

現在の人類の身体は基本的に狩猟採集民時代からほぼ変わっていない。これは、僕らの身体が現在の生活(糖の過剰摂取、加工食品、電車や車、パソコン、柔らかいソファ…etc.)に適応していないことを意味し、ミスマッチが生じることを表す。

 

その見えないミスマッチが現実として現れるのが生活習慣病をはじめとする様々な病気であり、それが是正されることなく次世代へと続き、また同じ病に悩まされる悪循環ーディスエボリューションーへと繋がっていく、と著者は説く。

 

「どうすれば悪循環が止められるのか?」

「人体に適応された生活とは?」

 

農民化、そして産業革命以降の科学技術の発達によって僕らに手に入るようになった様々な「便利」。そしてそれとともに(知らないうちに)手にしてしまったミスマッチ・ディスエヴォリューション。どれを有効に使い、どれを手放すのか、「便利」に対する取捨選択のとき。

 

僕ら(の身体)がどこから来て、どこへ向かうのか。

 

あなたが見えない、あるいは見ないふりをしている「便利」と「健康」のバランスを個々人で考えなおすキッカケを、進化の歴史を踏まえた上で本書は与えてくれる。

 

内容は素晴らしく、知っている人にとっては当たり前の「フルーツジュースはしょせんジャンクフード」という過激(に見える?)な表現もいいし、狩猟採集民時代よりも農民化以降の方が飢饉で死んだ人が多いなど、意外な事実を知ることも出来る。

 

上下巻なのでかなりのボリュームですが、少しでも自分の身体(人体)に興味ある人は一読をオススメします。進化のドキュメンタリーフィルムを見たような読後感です。