健康に関する本を紹介してきましたが、2015年最後のエントリーは、仏教についてのこの1冊。
仏教徒ではない著者が、大学での座学やミャンマーでの実践を伴うなかで学んできた仏教、その始点:ゼロポイントについて語ってくれる。
前回のエントリで紹介したような、仏教の教えを切り取って「現実世界を生きるためのTIPSとして使う」といった類の本ではなく、「悟りとは?」「涅槃とは?」「輪廻とは?」「ゴーダマ・ブッダが言ったことの本質とは?」という、仏教の本質・核心に触れる内容について書かれた本。
第一章 絶対にごまかしてはいけないことー仏教の「方向」
第二章 仏教の基本構造ー縁起と四諦
第三章 「脱善悪」の倫理ー仏教における善と悪
第四章 「ある」とも「ない」とも言わないままにー「無我」と輪廻
第五章 「世界」の終わりー現法涅槃とそこへの道
第六章 仏教思想のゼロポイントー解脱・涅槃とは何か
第七章 智慧と慈悲ーなぜ死ななかったのか
第八章 「本来性」と「現実性」の狭間でーその後の話
という全八章からなる本で、各章の最後にその章の中で話されたことのまとめと次章への導入があるなど、とても読みやすい本です。仏教の教えの中で矛盾と思われてしまうような点を、丁寧に1つ1つ取り上げて解説してくれているので、仏教に対する理解が一気に深まります。
ただし、仏教に関する知識というバックボーンが全くない状態だと、ただの睡眠導入本にしかならない恐れがあるので、そんな方には先にこちら。
同じ著者が書かれた本ですが、堅苦しく感じてしまう仏教を、俗世間で生きる僕らに分かりやすく、俗的な言葉や例を使って説明してくれています。
「仏教思想のゼロポイント」は割と硬い口調で書かれているのですが、この本からの前知識があると『ああ、この部分はおっぱいについて語っているところだな』と柔らかい頭で読めるようになるので、オススメ。
この「だから仏教は面白い」を読んだ後に「仏教思想のゼロポイント」を読むと同じ作者とは思えないほど、前者はカジュアルな文体で書かれています。笑